研究課題
若手研究
血管内リンパ腫はびまん性大細胞性B細胞リンパ腫の稀な亜型である。IVLBCLは末梢血管内で増殖する一方で、腫瘍細胞は血管内に留まり、リンパ節にも移行しないという特徴的な性質を有する。新たな患者がいなかったため、以前、本症と診断された患者の保存されたパラフィンブロックを行い、解析した。ブロックから切片を切り出し、CD40やCD40Lを免疫染色した。その結果、血管壁や血小板からCD40Lが放出され、腫瘍細胞上のCD40に結合することで、腫瘍の増殖を促進している可能性が示唆された。
皮膚科学
血管内リンパ腫が、なぜ血管内で増殖するかについては全く報告がなかった。しかし、本研究により血管内皮細胞や、その周囲の血管平滑筋細胞、さらに腫瘍によりトラップされた血小板から、CD40Lが放出されることがわかった。CD40LはB細胞の増殖因子であり、これが、腫瘍細胞上のCD40に作用し、増殖を促進させる可能性が示唆された。これはIVLBCLの病態解明に寄与するものと考える。