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2018 年度 実施状況報告書

脂肪由来幹細胞のリンパ管新性能に着眼した皮膚がん転移機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K16062
研究機関島根大学

研究代表者

林田 健志  島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (50599933)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード脂肪由来幹細胞 / リンパ浮腫 / 皮膚がん
研究実績の概要

8週齢雄の近交系(C57BL/6)マウスを用いた。同マウス由来の脂肪幹細胞 は通常の培養で増殖スピードが遅かったため、FGFなどの増殖因子を付与すると培養が安定化した。
マウス左下肢にリンパ浮腫状態を作成し、培養した脂肪由来幹細胞を投与して検討した。リンパ浮腫作成後に経時的に、組織を採取してRT-PCRとELISAを用いて、発現しているサイトカイン(VEGFやProx-1など)を計測し、サイトカインの発現のピークとなる日時が同定できた。しかしながら、リンパ管新生のイニシエーター候補と考えられるサイトカインは同定できておらず、検討が必要である。候補サイトカインが同定できれば、その中和抗体を投与することで、リンパ管再生の阻害効果も検討できる。
同時に、採取組織をLYVE-1とCD31を用いて免疫染色を行い、リンパ管を同定し、電子顕微鏡によりリンパ管の新生・再生程度を確認した。電子顕微鏡による解析では、リンパ管内皮細胞が内腔に向かって、新生増殖している様子が経時的に観察され、リンパ管の再生程度を3次元的に解析した。今後は電子顕微鏡での解剖学的な解析結果を定量的に解析する予定である。
また皮膚がんの転移を評価するために、ルシフェラーゼ発現B16メラノーマ細胞をリンパ浮腫マウス足背へ移植後に、IVISを用いてリンパ管を介した転移の評価を行っているが、リンパ節転移や肺転移の描出が不良であるため、メラノーマ細胞の投与数を変更するか、幹細胞の投与量の変更または、IVISの設定変更を考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

リンパ浮腫モデルマウスでのリンパ管新生に関する検討は、概ね予定通り進行中である。電子顕微鏡での解析結果はほぼ終了した。

今後の研究の推進方策

今後は皮膚がんのリンパ管を介した転移メカニズム解析と、サイトカイン投与による転移予防について検討予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Advances in surgical applications of growth factors for wound healing2019

    • 著者名/発表者名
      Yamakawa Sho、Hayashida Kenji
    • 雑誌名

      Burns & Trauma

      巻: 7 ページ: -

    • DOI

      https://doi.org/10.1186/s41038-019-0148-1

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 脂肪由来幹細胞と血管付きリンパ節移植の併用療法は、リンパ管を再生させることでリンパ浮腫を防止する2019

    • 著者名/発表者名
      林田健志、荻野龍平
    • 学会等名
      第124回日本解剖学会総会
    • 招待講演
  • [学会発表] リンパ浮腫モデルマウスを用いた リンパ管新生誘導因子に関する検討2019

    • 著者名/発表者名
      荻野龍平、林田健志
    • 学会等名
      第124回日本解剖学会総会

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公開日: 2019-12-27  

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