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2018 年度 実施状況報告書

遺伝性皮膚疾患(GGCX症候群)における石灰化関連因子と石灰化抑制の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K16064
研究機関長崎大学

研究代表者

大久保 佑美  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (10770399)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード皮膚遺伝学
研究実績の概要

これまでに石灰化経路に関わる多数の分子が発見されており、その発現機構や体内動態の研究が進められてきた。なかでもfetuin-Aは循環における強力な抗石灰化因子と考えられており、動脈硬化性疾患で研究が進められている。研究代表者はこれまで、GGCX (γ-glutamyl carboxylase)症候群の研究を行ってきた。GGCX症候群では、γ-グルタミル基のカルボキシル化不全により特異な皮膚症状を呈するのみならず、ビタミンK依存性血液凝固因子の著明な減少を特徴とする。本研究ではGGCX症候群患者と、対照として類似疾患であるPXE患者および健常人の線維芽細胞を用い、石灰化関連分子を比較することで、それぞれの疾患の石灰化経路の検証を行う。
本研究では、まずGGCX症候群におけるfetuin-Aの変動と、その他石灰化関連因子との関わりを明らかにする。fetuin-Aの関与が認められた場合、石灰化抑制剤として遺伝性結合組織疾患の新規治療薬に繋がる可能性をさらに検討する。
本年度は、GGCX患者皮膚から線維芽細胞を培養し、その培養上清を抽出してサンプルとした。GGCX線維芽細胞上清および健常人線維芽細胞上清について、fetuin-A ELISA kitにて吸光度測定し、マーカーとの比較によってfetuin-Aを定量化した。結果、いずれの培養上清においてもfetuin-Aは全く検出されなかった。一方、健常人血漿においては、平均1142 ug/mlのfetuin-Aが検出された。通常の線維芽細胞のみならずGGCX患者においても、線維芽細胞はfetuin-Aを産生しないことが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

線維芽細胞を用いて、fetuin-Aをはじめとした抗石灰化因子の測定・解析を予定していたため、使用する検体のソースを再検討する必要がある。

今後の研究の推進方策

通常の培養方法において、線維芽細胞はfetuin-Aを産生しなかった。次のステップとして、石灰化誘導メディウムの培養条件下にて、GGCX患者線維芽細胞が分化し、石灰化に対する恒常性維持機構としてfetuin-Aを産生するか検討する。その後他の抗石灰化因子についての検討をすすめることとする。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Vitamin Status and Mineralized Tissue Development2018

    • 著者名/発表者名
      Nakagawa Kimie、Okubo Yumi、Masuyama Ritsuko
    • 雑誌名

      Current Oral Health Reports

      巻: 5 ページ: 89~95

    • DOI

      10.1007/s40496-018-0174-2

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Bullous pemphigoid induced by ipilimumab in a patient with metastatic malignant melanoma after unsuccessful treatment with nivolumab2018

    • 著者名/発表者名
      Kuwatsuka Yutaka、Iwanaga Akira、Kuwatsuka Sayaka、Okubo Yumi、Murayama Naoya、Ishii Norito、Hashimoto Takashi、Utani Atsushi
    • 雑誌名

      The Journal of Dermatology

      巻: 45 ページ: e21~e22

    • DOI

      10.1111/1346-8138.14043

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Pseudo-pseudoxanthoma elasticum2018

    • 著者名/発表者名
      小池雄太, 岩永聰, 大久保佑美, 宮副治子
    • 雑誌名

      西日本皮膚科

      巻: 80 ページ: 179-180

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 治療抵抗性腫瘍随伴性天疱瘡の1例2018

    • 著者名/発表者名
      江原大輔, 小池雄太, 大久保佑美, 松尾真稔, 石井文人, 橋本隆, 宇谷厚志
    • 雑誌名

      西日本皮膚科

      巻: 80 ページ: 436-441

    • 査読あり
  • [雑誌論文] エタノール法を用い非観血的に虫体を除去し得たマダニ刺咬症の小児例2018

    • 著者名/発表者名
      郡家佑美, 富村沙織, 西本勝太郎, 宇谷厚志
    • 雑誌名

      日本小児皮膚科学会雑誌

      巻: 37 ページ: 92-97

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Pseudoxanthoma Elasticum-like Papillary Dermal Elastolysis 8例の検討 Pseudoxanthoma Elasticumとの相違点を中心に2018

    • 著者名/発表者名
      岩永聰, 鍬塚大, 大久保佑美, 小池雄太, 宿輪哲生, 鳥山史, 赤星吉徳, 穐山雄一郎, 今福武, 宇谷厚志
    • 雑誌名

      皮膚科の臨床

      巻: 60 ページ: 1408-1412

    • 査読あり
  • [学会発表] 弾性線維性仮性黄色腫類似の皮膚疾患2018

    • 著者名/発表者名
      小池雄太、岩永 聰、郡家(大久保)佑美、宮副治子
    • 学会等名
      日本皮膚科学会第334回長崎地方会例会
  • [学会発表] 【研究演題】PXE診療ガイドラインの公表2018

    • 著者名/発表者名
      岩永 聰、小池雄太、郡家(大久保)佑美、鍬塚 大、宇谷厚志
    • 学会等名
      日本皮膚科学会第334回長崎地方会例会
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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