本変異マウスにおけるB細胞減少を始めとした免疫系異常は、従来用いられてきたGATA2ノックアウトマウスでは見出されてこなかった。本研究より血球分化制御におけるGATA2の新たな役割を見出した。さらに疾患患者と同様にヘテロ接合で表現型を示す本マウスは、GATA2の多様な機能、特に本変異体で特徴的なドミナントネガティブ作用を解析可能な重要な動物モデルとなる。 疾患保因者は、加齢に伴い進行する免疫機能低下や骨髄増殖性腫瘍発症の逃れ得ない恐怖に対峙しなければならない。新規治療薬につながる標的分子の発見や悪性化の効果的な予防法の開発を目指した基礎研究を、本研究成果により加速させることができると考える。
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