本研究では,血小板活性化受容体CLEC-2を巨核球・血小板特異的にノックアウトしたマウスが,なぜ貧血を呈するかを検証した.このマウスの骨髄を解析した結果,TER119陽性赤芽球数が減少,この赤芽球における死細胞割合が増加していた.CLEC-2の生体内リガンドとしてポドプラニンが知られるが,骨髄中に存在するポドプラニン陽性細胞は,CLEC-2の刺激を受けることで赤芽球細胞死抑制効果を持つIGF-1を分泌した.以上の結果から,ポドプラニンを発現する間質細胞と,CLEC-2を発現する巨核球の形成する骨髄微小環境が,赤芽球造血におけるIGF-1の適切な分泌に重要であることが解明された.
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