アンチトロンビンレジスタンスの性質を示すプロトロンビン変異体(R593L)を発現するマウスはトロンビン生成能は低いものの、遅発性の血栓傾向を示した。この血栓傾向が止血能改善に寄与するかを評価するため、血液凝固第VIII因子が欠損した血友病Aマウス(出血傾向を呈する)と交配することにより、プロトロンビンR593Lを発現する血友病Aマウスを作製し、血友病Aマウスの止血能改善効果を評価したが改善効果は認められず、血栓傾向となることは必ずしも止血能改善に寄与しないということが判明し、現段階ではこの変異体の血友病治療への応用は効果に乏しいと考えられた。
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