がん遺伝子MYCの活性化機構として、従来、MYC遺伝子増幅や染色体転座によるプロモーターの置換が知られていた。また、組織特異的なエンハンサーが異常に活性化する膵臓がん、大腸がんや急性リンパ性白血病の場合もある。本研究では、染色体相互転座によって、c-MYCエンハンサーがRUNX2を、RUNX2スーパーエンハンサーがc-MYC発現を異常に活性化する機構を明らかにした。こうした染色体転座によって交換・活性化されたがん特異的エンハンサーによるBPDCN発症機構の解明は、MYCの新規活性化機構だけに限らず、新たながん発症メカニズムの視点を与えた独創的な研究である。
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