これまで骨髄における造血を支持する骨髄微小環境において各血球系統特異的な微小環境は明らかになっていなかった。本研究により骨髄微小環境構成細胞の一種であるNestin発現細胞特異的にNotchシグナルが欠損させた遺伝子改変マウスの骨髄で赤芽球造血が特異的に障害され、骨髄中の赤芽球島形成が障害され、赤芽球島を構成するマクロファージにおいてIL-6が過剰産生されていること、生体内における骨髄での赤芽球造血の障害が抗IL-6レセプター抗体の投与により改善することを示した。 赤芽球造血障害を起こす再生不良性貧血や骨髄異形成症候群などにおける病態解明、新規治療法の開発の端緒となる知見が得られたと考えている。
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