CHIPの存在は昨今の血液学の発見の中でも極めてインパクトの大きいものであり、CHIPからの腫瘍化のメカニズムの解明は現在重要な課題となっている。すなわち、CHIPの獲得は加齢現象として避けることは難しいが、腫瘍化のメカニズムが解明されれば、CHIPの他にどのような因子を有している人間が腫瘍化しやすいのか、というリスク因子が明らかになり、腫瘍化に必要な因子を標的にすることで効果的な新規治療戦略開発が可能になる。このように、本研究内容は、腫瘍の病態メカニズムの解明にとどまらず、予防医学・治療医学など造血器腫瘍に対して多面的に貢献することが期待される。
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