今後の研究の推進方策 |
FLT3-ITD陽性のAMLにおいてDUSP4の抑制が細胞増殖強制を来す機序について明確にするため、Ba/F3,HL-60,KG1aなどの細胞株にFLT3-ITDを導入するまたは、FLT3-IT陽性AML細胞株であるMV4-11を用いた系に変更し準備を進めている。それらの細胞にLenti-virusを用いてshDUSP4を導入し細胞増殖の変化について検討することを行っている。それらの細胞を用いて、RNA-seqを行い細胞増殖抑制効果を来すパスウェイを明らかにしようとしている。 すでにDUSP4阻害剤の開発に関して報告があり(Bull.Korean Chem. Soc.;2014:2655-59 Hwangseo et al)、DUSP4阻害剤の有効性について、FLT3-ITD AML細胞株(MV4-11,Molm13), FLT3正常細胞株 (HL-60,K562,U937)などを用いて検討する。その結果を踏まえ、正常骨髄CD34陽性細胞やFLT3-ITD AML及び正常FLT3 AML患者検体を用い有効性を検討する。 また、リン酸化シグナルの調整因子としてDUSP familyであるDUSP1,DUSP6などがDUSP4の機能を補完している可能性もあり、shDUSP4でノックダウンした際のDUSP1,DUSP6の発現や同時にノックダウンした場合の効果など詳細に検討する必要があると考える。 FLT3-ITDのみならすRas、bcr-abl、Jak2などその他のリン酸化シグナルが重要な働きを示す血液悪性腫瘍におけるDUSP familyの役割や治療ターゲットとなり得る可能性についても検討する。
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