HTLV-1組み込み部位特異的なウイルスとヒトゲノムのキメラトランスクリプトが成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)クローンの選択性に関与していると仮説を立て研究を行った。30例のATL患者の末梢血でのRNA解析で、21例においてキメラトランスクリプト発現を確認した。キメラトランスクリプトの定量PCRでは、半数の検体でウイルスRNAであるHBZと同等か、それ以上の発現を認めた。in vitroの実験で限界希釈によるHTLV-1感染細胞のクローニングを施行し、最終的に10個の感染クローンを分離した。これらの細胞増殖解析では非感染クローンと比較して有意に細胞増殖が亢進しているクローンを同定した。
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