研究課題/領域番号 |
18K16130
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
矢倉 富子 愛知医科大学, 医学部, 助教 (20722581)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 血小板保存 / 高圧メディカルガス / PRP / 洗浄血小板 |
研究実績の概要 |
平成30年度は、高圧メディカルガスによる血小板保存効果の検証を進めるため、以下の点に重点を置き検討した。 ウサギ血小板を用いた至適条件の検討 :高圧メディカルガスによる血小板の有効性および安全性の検証を行う為、まずウサギ血小板を用いて検討することにした。 具体的内容① ウサギPRP (Platelet-rich plasma)の検討 ウサギの耳静脈から、3.2%クエン酸ナトリウム処理(1/10添加)により1回につき4.5mlの採血をした。血液を1500rpm,24℃で10分間遠心してPRP (Platelet-rich plasma)を採取した。PRP採取後の血液を3000 rpm,24℃で10分間遠心してPPP (Platelet-poor plasma)を採取した。本研究では、汎用されるPRP調整法に準じて調整されたPRPの血小板数を比較検討し、この条件をウサギPRPの最適条件とした。 ② ウサギ洗浄血小板の検討 血小板は各種凝集惹起物質により活性化され、粘着・凝集・放出反応を行う。そこで、各種血漿蛋白質等の影響を除くウサギ洗浄血小板を作製し、最適条件を検討した。 研究を進めることで、ウサギ血小板を用いた有効性および安全性の検証がされ、今回の結果を足がかりにさらに解析を進めることで高圧メディカルガスを用いた血小板保存期間の延長を明らかに出来ると思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の成果は、高圧メディカルガスを用いた血小板保存期間の延長を達成するため、段階的に3つの課題に重点をおき、研究に取り込む計画である。平成30年度はウサギ血小板を用いた至適条件の検討を行った。2ヶ年目以降は、高圧メディカルガスによる血小板の有効性および安全性の検証を行う為、ウサギ血小板さらに、ヒト血小板を用いて研究する計画をしている。これらの結果は学術的基盤とし、将来的に高圧メディカルガスを用いた血小板の保存を臨床応用へと展開出来ると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度は、以下の点に重点を置き研究を推進していく。平成30年度のウサギPRPの至適条件を受けて、ウサギPRP、ウサギ洗浄血小板を高圧メディカルガス下で血小板の保存期間をそれぞれ4日、1週間、4週間に保存期間を分類し検証する。さらに、ウサギPRP、ウサギ洗浄血小板に含まれる血小板の評価・解析を血小板凝集能測定、フローサイトメトリー、血小板数にて行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30度は、37206円の翌年度繰越額を計上した。研究を実施していく中で予定していた消耗品類の購入が、効率的な利用により残高が生じた為と考えられる。令和元年度の計画として、高圧メディカルガスによる血小板の有効性および安全性の検証を行う為ウサギ血小板さらにヒト血小板を用いて研究することに重点を置き,申請時の計画に沿って研究を推進していく予定である。
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