血小板輸血は様々な出血性疾患や病態に対する確立した治療法である。しかしながら、血小板は温度とpHに大きな影響を受けるため安定供給が困難であり、必要なときに必要な量の血小板の安定供給を行うことは大きな課題の1つである。こうした状況を改善するために、大量の血小板を効率よく産生できるシステムと安定に安全に保存する方法の確立が望まれている。 さらに近年、血小板において内因性生理活性ガスである一酸化炭素(CO)生成酵素が存在し、血小板凝集反応や血小板機能を制御していることが明らかになっている。 今回申請者は、ウサギおよびヒト血小板においてメディカルガスを用いた保存法を用いて血小板の凝集を抑制することに成功した。これにより安全に、安定的に保存できる新たな血小板保存方法の確立が期待される。
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