研究課題
TNF-αなどの炎症性サイトカインは関節リウマチの病態に深くかかわるため、炎症性サイトカインによる刺激がオートファジーレセプター(p62、NBR1、OPTN、NDP52、TAX1BP1、TOLLIP)の発現に影響を与えるかどうか検討した。滑膜線維芽細胞をTNFα、IL-1βまたはIFN-γで刺激したところ、オートファジーレセプターのうち、p62、OPTN、TAX1BP1の発現上昇がmRNA、タンパク質レベル双方で認められた。これら3つのオートファジーレセプターのうち、OPTN(オプチニューリン)はNF-κBの調節因子であることが報告されていることから、その後の実験においては滑膜線維芽細胞におけるOPTNの機能に着目した。siRNAを用いて滑膜線維芽細胞においてOPTNをノックダウンしたところ、TNF-αによって誘導される細胞表面のRANKLの発現亢進がフローサイトメトリー法により確認された。OPTNのノックダウンによるRANKLの発現上昇はmRNAレベルでも確認された。また、OPTNをノックダウンした滑膜線維芽細胞ではTNF-αによって誘導されるIκBαの分解、NF-κBの核内移行が亢進していた。以上の結果により、滑膜線維芽細胞におけるOPTN、RANKL、NF-κBの関連が示唆された。滑膜線維芽細胞の発現するRANKLは、関節局所における破骨細胞の分化促進を介し、RAの関節破壊に重要な役割を果たすことが報告されている。オートファジーレセプターの発現調整が滑膜線維芽細胞特異的にRANKLの発現を調整し得るかどうか今後さらに検討を進める。
2: おおむね順調に進展している
当初の研究計画のおよそ50%が2018年度に終了した。
研究はおおむね順調に進展しており、2019年度も当初の計画通り進める。
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