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2021 年度 実施状況報告書

アトピー性皮膚炎発症と母乳中miRNAとの関連

研究課題

研究課題/領域番号 18K16138
研究機関千葉大学

研究代表者

中野 泰至  千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (90708306)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワードmicroRNA / アトピー性皮膚炎 / 食物アレルギー / 母乳
研究実績の概要

本研究の目的は乳児期発症のアトピー性皮膚炎に関わる母乳中のmiRNAを解析することにより乳児アトピー性皮膚炎の発症機序を解明することにある。本研究で用いる母乳は千葉市でのハイリスク出生コホート研究(CHIBA study)を用いた。本研究において1歳時点での卵白感作に関わる因子として多変量解析を行ったところ乳児湿疹、アレルギー疾患の家族歴、男児に加えて母乳栄養(OR:2.64, 95%CI: 1.45-4.81)がリスクであることが分かった(Pediatr AllergyImmunol.2020;31:315-318.)。また、保湿剤、シンバイオティクスを用いた介入研究にても同様に卵白感作のリスク因子として母乳栄養(OR:1.79, 95%CI:1.13-2.84)があげられた。この結果より母乳栄養中の免疫物質、microRNA等が関わっている可能性があると考えられた。
また、同コホート研究(CHIBA study)での母乳中のmicroRNAを解析した結果、hsa-miR-342-5p、hsa-miR-551b、hsa-miR-4520が6か月時のアトピー性皮膚炎と関連があった。In silico解析でhsa-miR-342-5pはVEGF、TGFb signalingに関わっていた。
アトピー性皮膚炎群、非アトピー群5人ずつをプールしたサンプルを用いてmiRNA Oligo chip(東レ)で行った網羅的解析で有意差のあったhsa-miR-342-5p、hsamiR-551b、hsa-miR-4520が本年度20検体ずつに人数を増やして解析を行ったが有意差を認めなかった。
今後、もう一つの出生コホート研究(Katsushika study)の母乳検体を用いてmiRNA Oligo chip(東レ)で網羅的解析を行い、cutoff値を低くして2つの独立したコホート研究で重なるmiRNAを抽出する。
2つの独立したコホート研究で有意に変化のあったmiRNAをターゲットとして2つの出生コホート研究サンプルでqPCRを用いてバリデーションを行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

COVID19の影響などによる人員不足による診療業務過多により当実験のエフォートを割けなかった。

今後の研究の推進方策

もう一つの出生コホート研究(Katsushika study)の母乳検体を用いてmiRNA Oligo chip(東レ)で網羅的解析を行い、cutoff値を低くして2つの独立したコホート研究で重なるmiRNAを抽出する。
2つの独立したコホート研究で有意に変化のあったmiRNAをターゲットとして2つの出生コホート研究サンプルでqPCRを用いてバリデーションを行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究の遅延により研究費を使用できなかったため、次年度に持ち越します。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Association of the Maternal Gut Microbiota/Metabolome with Cord Blood CCL172021

    • 著者名/発表者名
      Tanabe Hiromi、Sakurai Kenichi、Nakanishi Yumiko、Kato Tamotsu、Kawasaki Yohei、Nakano Taiji、Yamaide Fumiya、Taguchi-Atarashi Naoko、Shiko Yuki、Takashima Ikumi、Watanabe Masahiro、Ochiai Shingo、Ohno Hiroshi、Fukuoka Hideoki、Shimojo Naoki、Mori Chisato
    • 雑誌名

      Nutrients

      巻: 13 ページ: 2837~2837

    • DOI

      10.3390/nu13082837

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Long-chain saturated fatty acids in breast milk are associated with the pathogenesis of atopic dermatitis via induction of inflammatory ILC3s2021

    • 著者名/発表者名
      Kong Weng Sheng、Tsuyama Naohiro、Inoue Hiroko、Guo Yun、Mokuda Sho、Nobukiyo Asako、Nakatani Nobuhiro、Yamaide Fumiya、Nakano Taiji、Kohno Yoichi、Ikeda Kazutaka、Nakanishi Yumiko、Ohno Hiroshi、Arita Makoto、Shimojo Naoki、Kanno Masamoto
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 11 ページ: 13109

    • DOI

      10.1038/s41598-021-92282-0

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Precision medicine reaching out to the patients in allergology - a German-Japanese workshop report2021

    • 著者名/発表者名
      Oliver Pfaar, Katharina Blumchen, Eistine Boateng, Eckard Hamelmann, Tomohisa Iinuma, Thilo Jakob, Susanne Krauss-Etschmann, Hiroyuki Nagase, Saeko Nakajima, Taiji Nakano, Harald Renz, Sakura Sato, Christian Taube, Martin Wagenmann, Thomas Werfel, Margitta Worm, Kenji Izuhara
    • 雑誌名

      Allergologie select

      巻: 5 ページ: 162~179

    • DOI

      10.5414/ALX02234E

    • 査読あり
  • [学会発表] ビタミンDによるアレルギー発症予防の可能性2021

    • 著者名/発表者名
      中野 泰至
    • 学会等名
      日本小児アレルギー学会

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公開日: 2022-12-28  

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