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2018 年度 実施状況報告書

脂肪組織マクロファージがマスト細胞の活性および代謝に与える影響の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K16142
研究機関山梨大学

研究代表者

中嶋 正太郎  山梨大学, 大学院総合研究部, 特任助教 (50723417)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード肥満 / I型アレルギー / マスト細胞
研究実績の概要

本研究の目的は『肥満脂肪組織マクロファージが全身のマスト細胞に与える影響に着目し、肥満とI型アレルギーの関係性を明らかにする』ことである。これまでに個体レベルにおいて肥満がI型アレルギー反応(IgEを介したマスト細胞の活性化に基づくアレルギー反応)に影響を与えるか否かに関する報告はほとんどなされていないため、本研究ではまず肥満がI型アレルギー反応に影響を与えるか否か、マウスを用いた個体レベルでの検討を行った。
高脂肪食誘導性肥満マウスをモデルとし、I型アレルギー反応を個体レベルで評価できる受動全身アナフィラキシー反応(以下PSA)を行い、肥満がI型アレルギー反応に影響を与えるか否か検討を行った。雄の6週齢C57BL/6Jマウス(日本エスエルシー社)に通常食および高脂肪食(High Fat Diet 32,日本クレア社)を8週間給餌し、体重増加率の変化を観察した。通常食給餌群8週間後の体重増加率は142.3%だったのに対し、高脂肪食給餌群では199.8%に達し、通常食給餌群と高脂肪食給餌群の間で体重増加率におよそ1.4倍の差がみられた。
そこで肥満がI型アレルギー反応に影響を与えるか否かを明らかにするため、高脂肪食誘導性肥満マウスにPSA反応を行い、I型アレルギー反応の強さの指標となる血漿ヒスタミン濃度の測定を行った。通常食給餌群および高脂肪食給餌群ともにPSA反応により血漿ヒスタミン濃度の著しい上昇が見られたが、抗原刺激時における血漿ヒスタミン濃度は通常食給餌群に対し高脂肪食給餌群において有意に高値を示した。したがって肥満により個体レベルにおいてI型アレルギー反応が増強する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請書の研究計画に基づき、初年度において個体レベルにおいて肥満がI型アレルギー反応を増強する可能性を見出すことができたため。

今後の研究の推進方策

次年度では、肥満脂肪組織に集積するマクロファージがマスト細胞に与える影響に着目し、肥満がI型アレルギー反応を増強するメカニズムの検討を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

計画通りに実験が遂行し、当初予定していたマウスや実験試薬およびキットの購入数を減らすことができたため。

当初の研究費と併せて消耗品の購入(物品費)のための支出にあてる予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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