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2020 年度 実績報告書

抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の病態におけるCX3CL1-CX3CR1の重要性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 18K16145
研究機関京都大学

研究代表者

中嶋 蘭 (笹井蘭)  京都大学, 医学研究科, 助教 (10599525)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード抗MDA5抗体 / 皮膚筋炎 / 単球 / フラクタルカイン
研究実績の概要

多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)の中でも最も予後不良な一群である抗MDA5抗体陽性DMの病態背景にはinterferonopahty とともに単球/マクロファージ(Mφ)の活性化病態が考えられているが、未だに詳細な病態機序は不明である。本研究では抗MDA5抗体陽性DMにおける単球・Mφの病態機序を探究するため、末梢血単核球のプロファイルとともに、単球の遊走に関連するフラクタルカイン(CX3CL1)とそのレセプター(CX3CR1)が及ぼす影響について検討した。
抗MDA5抗体陽性DM(未治療)14例と健常人9例から末梢血単核球を分離し、フローサイトメトリーを用いて、治療前単球サブタイプ解析: classical(CD14+;CD16-), non-classical(CD14+CD16+), intermediate(CD14++CD16+)を検討し、抗MDA5抗体陽性例ではnon-classical単球が有意に増加し、classical単球が有意に減少していた。また抗MDA5抗体陽性例は治療によって寛解に至るとnon-classical単球分画の割合が減少していた。次にPM/DMの保存血清サンプルを用い、血清CX3CL1濃度をELISA法を用いて測定し、筋炎特異抗体によって分類された患者群間で治療前におけるCX3CL1濃度を比較したところ抗MDA5抗体陽性例で有意にCX3CL1が高値であることが示された。また、治療経過中のCX3CL1濃度の推移は予後不良群の方が予後良好群よりも経過中にCX3CL1が有意に増加していることを示した。最後にPM/DM患者において診療上必要となった皮膚生検検体を用い、病変皮膚組織内におけるMφの分布(M1, M2)を組織病理学的に検討したところ、M1よりもM2Mφの方が真皮血管周囲を中心に多く浸潤・分布していた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] Efficacy of plasma exchange in anti-MDA5-positive dermatomyositis with interstitial lung disease under combined immunosuppressive treatment2020

    • 著者名/発表者名
      Shirakashi M, Nakashima R (Corresponding author), Tsuji H, Tanizawa K, Handa T, Hosono Y, Akizuki S, Murakami K, Hashimoto M, Yoshifuji H, Ohmura K, Mimori T.
    • 雑誌名

      Rheumatology (Oxford) .

      巻: 59 ページ: 3284-3292.

    • DOI

      10.1093/rheumatology/keaa123.

    • 査読あり
  • [学会発表] 筋炎治療戦略の新展開 臨床試験の結果から2020

    • 著者名/発表者名
      中嶋 蘭
    • 学会等名
      第64回日本リウマチ学会総会・学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] 多発性筋炎/皮膚筋炎の特異的自己抗体と臨床像2020

    • 著者名/発表者名
      中嶋 蘭
    • 学会等名
      第64回日本リウマチ学会総会・学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] 身体所見と自己抗体検査2020

    • 著者名/発表者名
      中嶋 蘭
    • 学会等名
      第60回日本呼吸器学会学術講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] 抗MDA5抗体陽性筋炎に対するアフェレシス2020

    • 著者名/発表者名
      中嶋 蘭
    • 学会等名
      第41回日本アフェレシス学会
  • [図書] リウマチ科:特発性炎症性筋疾患の予後予測因子2020

    • 著者名/発表者名
      笹井 恒雄, 谷口 雅司, 中嶋 蘭
    • 総ページ数
      434-443.
    • 出版者
      科学評論社
  • [図書] 内科:【検査値を読む2020】抗MDA5抗体2020

    • 著者名/発表者名
      中嶋 蘭
    • 総ページ数
      864
    • 出版者
      南江堂
  • [図書] リウマチ科:IIMの診断・治療における自己抗体の意義2020

    • 著者名/発表者名
      中嶋 蘭
    • 総ページ数
      381-387.
    • 出版者
      科学評論社

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公開日: 2021-12-27  

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