研究課題/領域番号 |
18K16151
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
浅野 澄恵 岡山大学, 大学病院, 客員研究員 (80816497)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | DNAメチル化 / SLE / CTSE / CD4陽性T細胞 / Kaiso |
研究実績の概要 |
2018年度は, これまでの研究業績(バイサルファイトシーケンス解析にて、CTSEイントロン1領域内のCGCG配列で、B6に比較しMRLでDNAメチル化が有意に低下していることを確認した。さらに同領域に結合するメチル化感受性転写因子の候補として、Kaisoに着目した。CGCG配列へのKaisoの結合についてChIP-PCRを行い、MRLにおける同配列への結合能の低下を確認した。さらに、5-azaCとTSA処理後マウスリンパ腫細胞株(EL-4細胞)にて、同様にChIP-PCRで検討したところ、脱メチル化・ヒストンアセチル化状態にあるCGCG配列では有意にKaisoの結合能が低下し、CTSEのmRNA発現亢進を認めた。さらにKaisoとCGCG配列の結合を解析するため、 EMSAを施行したところ、 CGCG配列に対して、 Kaisoが蛋白DNA複合体を形成し、 スーパーシフトを確認した。さらに、 CGCG配列をはさむ、 DNA低メチル化領域をインサートとしたベクターを作成し、ルシフェラーゼアッセイ法で転写抑制活性があることを確認した。また、CTSEの機能を解析するため、EL-4にsi-CTSEをエレクトロポレーションし、PMA/ionomycinで刺激を与え、その血清においてIL-10の分泌がsi-controlに比較して、低下していることを確認した。 Pdcd4がIl10の翻訳を阻害することが知られており、 MRLに比較しB6のCD4陽性T細胞でもPdcd4 mRNAの発現が亢進していることから、IL-10分泌が亢進した可能性が示唆された)をまとめ、 論文作成を行い、 2019年2月にScientific Reportsに掲載された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に問題なく研究は進んでいる
|
今後の研究の推進方策 |
2019年度は, MRL/lprマウス及び患者由来T細胞において、CTSEの酵素活性が亢進しているかどうか確認を行い、またCTSE阻害薬を用いたin vitroの実験で、抗体産生能やオートファジーなどにCTSEが与える影響など、病態への関与を解析する。
|