全身性エリテマトーデスは膠原病の中でも関節リウマチについて多い疾患であり、全身性自己免疫疾患の代表的な疾患である。全身性エリテマトーデスの光線過敏は、顔面の蝶形紅斑などの症状としてあらわれ、発症のひきがねや増悪要因にもなる大変特徴的な症状である。臨床的にはよく知られているにもかかわらず、全身性エリテマトーデスの光線過敏の発症のメカニズムに関しては不明な点が多い。私の参加する研究室では、光線の中でも日光に含まれる紫外線B波に注目して制御性T細胞の研究をしている。制御性T細胞は、CD25やFoxp3転写因子を発現し、自己免疫疾患やアレルギーなど、いろいろな免疫反応を抑制していることがわかっている。全身性エリテマトーデスにおいても、制御性T細胞の数の減少や機能不全などが他のグループより報告されていた。通常は免疫抑制効果をもつ制御性T細胞の割合はマウスの皮膚では、CD4+T細胞の約20%程度であるが、紫外線B波を照射すると、その3倍ほどにも増える、ということを研究室で見出していたので、本研究では、紫外線B波と制御性T細胞、全身性エリテマトーデスとの関連性について解析した。教室のプロジェクトの解析研究にチームとしても参加し、紫外線B波を照射した皮膚で増えた制御性T細胞が修復機能を持つという論文の発表をすることができた。RNA-seq解析、データベース解析、遺伝学GWAS解析の手法、最近の臨床免疫への応用の可能性も学んだ。
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