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2018 年度 実施状況報告書

破骨細胞の分化と機能を阻害する低分子化合物の関節リウマチ治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K16161
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

前田 和洋  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (50548849)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード関節リウマチ / 炎症性サイトカイン / 破骨細胞 / 骨吸収 / Wnt
研究実績の概要

本申請者は、分泌型糖タンパクであるWnt5aが受容体型チロシンキナーゼであるRor2を介し RANKLにより誘導される破骨細胞分化を促進することを発見した。関節リウマチ(RA)滑膜 にはWnt5a が過剰に発現しているとの報告があったことから、RAによる骨破壊を抑制する目的で、RAモデルに対し本経路を阻害する可溶型Ror2の投与実験を行った。その結果、組織学的に骨組織のみならず軟骨組織も保護されていることが、偶発的に明らかとなった。本経路は炎症性サイトカインやmatrix metalloproteinase(MMP)の産生にも関与するとの報告が散見される。現在、RAの治療は生物学的製剤が用いられているが、そのほとん どは炎症性サイトカインを標的としたものである。骨代謝、炎症性サイトカイン産生および MMP産生の3つに共通した経路を分子標的とすることは、骨破壊、炎症による痛みおよび軟骨破壊のそれぞれの病態を改善させると考える。本研究の目的は、Wnt5a-Ror2経路を阻害する低分子化合物が新規RA治療薬として応用可能かどうかを検討することである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初、野生型/Wnt5a KO/Ror2 KOマウスの胎仔より胎仔線維芽細胞(MEF)を調製し、それぞれの細胞を、TNFαで刺激し、炎症性サイトカイン、ケモカインおよび MMPの産生をリアルタイムPCR、ELISAなどで検討する予定であった。遺伝子欠損マウスを用いた実験を施行する前に、細胞株を用いた実験を先行実験を行っている。本実験に入る前のこれらの実験に、予想以上時間がかかったため、進捗状況はやや遅れている。

今後の研究の推進方策

細胞株を用いて行う実験で、使用する炎症性サイトカインやリアルタイムPCR用のプライマーは、今後遺伝子欠損マウス由来の細胞を用いて行う実験と共通のものである。細胞株を用いた実験で、一定の傾向が見いだされれば、速やかに動物実験開始許可の手続きに移り、本実験を開始していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

冒頭でも述べたように、当初、野生型/Wnt5a KO/Ror2 KOマウスの胎仔より胎仔線維芽細胞(MEF)を調製し、それぞれの細胞を、TNFαで刺激し、炎症性サイトカイン、ケモカインおよび MMPの産生をリアルタイムPCR、ELISAなどで検討する予定であった。遺伝子欠損マウスを用いた実験を施行する前に、細胞株を用いた実験を先行実験を行っている。本実験に入る前のこれらの実験に、予想以上時間がかかったため、進捗状況はやや遅れているため、次年度繰越金が生じた。今年度は遺伝子欠損マウス由来の細胞を用いて実験を行えるよう善処する。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] A case of carpal tunnel syndrome caused by giant gouty tophi: The usefulness of DECT for the diagnosis, preoperative planning, and postoperative evaluation of atypical cases.2019

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Maeda, Hiroyuki Chino, Tadashi Tokashiki, Jun Udaka, Yuya Okutsu, Mitsuhito Yukawa, Makoto Mitsuhashi, Naoya Inagaki, Hirofumi Osumi, Yuji Nagamine, Tetsuro Nishizawa, Tomohiro Kayama, Takeshi Fukuda, Kunihiko Fukuda, Hiroya Ojiri, Keishi Marumo
    • 雑誌名

      Mod Rheumatol Case Rep.

      巻: 3 ページ: 165-171

    • DOI

      doi.org/10.1080/24725625.2019.1596547

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 神経鞘腫核出術後に神経脱落症状をきたす危険因子の検討2018

    • 著者名/発表者名
      前田 和洋、千野 博之、宇髙 潤、湯川 充人、奥津 裕也、丸毛 啓史
    • 雑誌名

      日手会誌

      巻: 35 ページ: 497-500

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 【腎と透析ベッドサイド検査事典】 (第6章)CKD-MBD関連検査 デオキシピリジノリン2018

    • 著者名/発表者名
      前田 和洋、斎藤 充、丸毛 啓史
    • 雑誌名

      腎と透析

      巻: 84 suppl ページ: 206-207

  • [雑誌論文] 【CKD-MBDガイドラインを再考する-KDIGOガイドライン改訂を受けて】 整形外科医からみたCKD-MBD2018

    • 著者名/発表者名
      前田 和洋、 斎藤 充、 丸毛 啓史
    • 雑誌名

      腎と骨代謝

      巻: 31 ページ: 233-238

  • [学会発表] 手指の発生に関与する分子群による骨代謝制御 -この遠くて近きもの-2019

    • 著者名/発表者名
      前田和洋
    • 学会等名
      第62回東京手・肘の外科研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 神経鞘腫核出術後に神経脱落症状をきたす危険因子の検討2018

    • 著者名/発表者名
      前田和洋、千野博之、宇高潤、奥津裕也、湯川充人、三橋真、丸毛啓史
    • 学会等名
      第61回日本手外科学会
  • [学会発表] RANKLの発見と臨床応用の現状 次の一手と今後の課題まで2018

    • 著者名/発表者名
      前田和洋
    • 学会等名
      骨粗鬆症治療セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] RANKLの発見が私たちに齎した事と今後の課題 -関節リウマチの適応拡大からステロイド骨粗鬆症の治療まで-2018

    • 著者名/発表者名
      前田和洋
    • 学会等名
      2018年板橋・豊島整形外科フォーラム
    • 招待講演
  • [図書] おとなの病気は、ぼくらが予防!未来の健康防衛隊 吉澤譲治 監修2018

    • 著者名/発表者名
      前田和洋
    • 総ページ数
      241
    • 出版者
      保育社
    • ISBN
      978-4-586-08599-6

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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