動物実験を含めない段階までの研究結果をまとめて論文を作成して論文投稿を行った。求められたリバイス実験を行い、rivisionを提出するもリジェクトされた経緯もあり、動物実験にまでは取り組めなかったが、繰り返し論文投稿を行ってリバイス実験を繰り返した。 ヒト単球(Mo)を用いたin vitroでの追加実験では、樹状細胞由来破骨細胞(DC-OC)を古典的な単球由来破骨細胞(Mo-OC)と比較し、その特徴についてのさらなる解析を進めた。3核以上の破骨細胞(OC)の面積の比較、CD206の免疫染色の検討、DC-OCに特徴的な細胞表面抗原の発現率の評価を行い、DC-OCで樹状細胞(DC)由来の特徴を保持していることを明らかとした。次いで、T細胞増殖にかかわるIL-2についても評価したが、有意差は得られなかった。さらに、セルソーター (FACS Aria II)という特殊な機器を用いて各T細胞サブセット間における細胞増殖能の違いも比較したが、明らかな有意差は明らかにできなかった。 この病的と考えられるDC-OCに対する薬剤の検討に関しても追加実験を求められ、DC-OC分化抑制効果が明らかでなかった要因やT細胞増殖能を抑制した要因の検討実験を行った。PCRや免疫染色の実験を追加した結果、アバタセプトはNFATc1およびCTSKの発現を制御しなかったが、一方でDC-OCの共刺激分子の発現を抑制することを明らかとした。 以上の求められた実験などを行い、リバイスを作成して提出し、雑誌BoneのVolume 142 (January 2021)にようやく採択していただくところに至った。
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