研究課題/領域番号 |
18K16164
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
成澤 学 産業医科大学, 医学部, 助教 (10553802)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 関節リウマチ / 破骨細胞 / 樹状細胞 / CTLA-4Ig / アバタセプト / T細胞 / 分化転換 / 滑膜 |
研究成果の概要 |
関節リウマチ(RA)の骨・軟骨組織の破壊原因として、動物実験では樹状細胞(DC)から分化する破骨細胞(DC-OC)が報告されていたが、ヒトでは詳細が分かっていなかった。DC-OCは一般的な単球由来破骨細胞(Mo-OC)よりも骨吸収能が高く、Mo-OCにはないDCの特徴を有し、免疫機能を司るT細胞を増殖させた。RA治療薬の1つであるCTLA-4IgはこのT細胞増殖を抑制した。さらに、RAと変形性膝関節症の滑膜を比較したところ、DC-OCはRAの滑膜内にしか存在しなかった。通常の骨代謝から逸脱したDC-OCが炎症の維持と関節破壊の双方に寄与している可能性を初めて明らかとし、論文として発表した。
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自由記述の分野 |
骨免疫学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
関節や骨格機能に多大な影響を及ぼす慢性骨破壊性疾患である関節リウマチの骨病変において、破骨細胞が非常に重要な役割を担っている。生理的には単球を前駆細胞として分化・癒合する破骨細胞の中に、未成熟樹状細胞から破骨細胞に分化転換する亜集団を確認し、関節リウマチの病的な増殖滑膜にそのサブセットが存在することを証明した。樹状細胞由来破骨細胞が高い骨吸収能のみならず、樹状細胞に類似した免疫活性化作用も伴うことで病態の増悪に大きく関わっている可能性を初めて示すことができた。今後、この病的な樹状細胞由来破骨細胞を治療ターゲットとすることで、副作用を減らした上で骨・関節破壊を抑制できる可能性も拡がったと考える。
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