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2020 年度 実施状況報告書

大規模ゲノム解析によるセラチアマルセスセンスの病原性および薬剤耐性獲得機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K16175
研究機関九州大学

研究代表者

小野 友行  九州大学, 大学病院, 医員 (80725721)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードSerratia marcescens / 大規模ゲノム解析 / 病原遺伝子
研究実績の概要

Serratia marcescensは遺伝的に非常に多様性が高いと考えられている。また臨床上の問題点としては、近年多剤耐性菌のアウトブレイクの報告が散見されてい る。そこで本研究では多様な環境分離株と臨床分離株を収集して、S. marcescensの大規模ゲノム比較解析を行うことを目的とした。 研究を行うにあたり大規模な菌株コレクションの構築を行った。京都府内の様々な地域の土壌から分離した環境由来株、関東の大学病院や市中病院で分離された臨床由来株、フランスの病院で分離された臨床由来株と周辺の土壌から分離された環境由来株、宮崎大学附属病院で分離された臨床由来株、九州大学臨床検査部で分離された臨床由来 株を分与していただいた。これらの株に加え、福岡・宮崎・関東の土壌から環境由来株を新たに分離した。これらの日本・フランス各地で採取された臨床由来株と環境由来株をシーケンスを行った。さらに公共データベースに登録されている海外株のゲノム配列も加えglobalな視点での解析を行った。ゲノム解析では本菌の遺伝的多様性が高いことが明らかとなり、Average nucleotide identity(ANI)を用いた解析では S. marcescensの集団の中でも複数の集団に分かれることが判明し、ANIの閾値から亜種である可能性がある菌株のグループが存在することが判明した。 薬剤耐性遺伝子の検索を行なったところ、複数の集団の中で有意に薬剤耐性遺伝子の保有数の多い集団が存在することが判明した。また、CRISPR-Casの保有状況も追加で調べたところ、これらも特異的な保有状況を示す集団の存在が明らかになった。さらにgenome sizeやGC contentといった基本情報や薬剤耐性遺伝子の保有個数などを統計的に検討したところ有意差があることも判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

すでにデータの取得・解析は終了しており、現在論文の投稿に向け準備中である。

今後の研究の推進方策

論文投稿への準備に加え、さらに現在解析しているデータセットのプラスミドの保有状況についてのさらなる解析を今後進めていく予定としている。

次年度使用額が生じた理由

(未使用が生じた理由)
予定よりも消耗品の支出が少なく済んだため、次年度使用額が生じた。
(次年度使用計画)令和2年度経費の中で579,895円の未使用分があり、これを次年度に繰り越し令和3年度は合わせて779,895円を論文作成の為の英文校正費、消耗品費を中心に使用し研究を実施する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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