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2018 年度 実施状況報告書

難治性気道感染症における抗菌薬適正使用法の開発―薬剤耐性菌の克服を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 18K16179
研究機関熊本大学

研究代表者

右山 洋平  熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (20779178)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード難治性気道感染症 / 緑膿菌 / 抗菌薬適正使用 / 薬剤耐性菌
研究実績の概要

本研究の目的は、薬剤耐性菌の増加が深刻な問題となっている緑膿菌による難治性気道感染症に対し、効果的かつ耐性菌を抑制できる抗菌薬適正使用法の開発を進めることである。本年度は、抗菌薬が不要な緑膿菌の定着状態と治療を行うべき感染の臨床的な鑑別法、さらに感染のリスク因子の解析のため、熊本大学病院集中治療室に入室中に下気道検体から緑膿菌が検出された重症患者の臨床データ収集を進めた。2004 年 1 月から 2017 年 4 月までに、熊本大学医学部附属病院の集中治療室への入院歴がある重症患者を対象とし、その中で緑膿菌が検出された症例を、電子カルテシステムを使用してリストアップした。ICU 入室後、48 時間以内に死亡した症例や情報に不備がある症例は研究対象から除外し、現在まで、404症例がデータベースに登録され、検出された緑膿菌の菌量が多い程、ICU死亡率が高い傾向が見られた(下気道緑膿菌濃度:ICU死亡率、≦10^2 cfu/mL:7.1%、10^3 cfu/mL:8.6%、10^4 cfu/mL:8.2%、10^5 cfu/mL:14.9%、10^6 cfu/mL:16.6%、10^7 cfu/mL:26.1%)。今後も、さらに症例の集積と解析を進めていく予定である。また、緑膿菌感染と緑膿菌のクオラムセンシング機構との関連性についての解明を行うため、緑膿菌標準株PAO1を用い、クオラムセンシング関連因子であるN-アシル-L-ホモセリンラクトンの定量系の構築も進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

症例のリストアップはほぼ完了し、クオラムセンシング機構による緑膿菌の毒性発現に影響を及ぼす推定される下気道中の緑膿菌の菌量と、ICU死亡率との間に相関関係があることを示唆する結果が得られている。

今後の研究の推進方策

リストアップした患者に対し、微生物検査所見 (下気道中の緑膿菌濃度、薬剤感受性など)、患者情報 (年齢、性別、症状、バイタルサイン、入院疾患、合併症、既往症の有無)、各種検査所見 (血液検査、生理機能検査、 胸部 CT 所見)などのデータ収集・統計解析を進める。

次年度使用額が生じた理由

既存の資源の活用や物品調達などで、効率的な研究を推進したこと、及び学会への参加を延期したことに伴って発生した未使用額である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Lung abscess following bronchoscopy due to multidrug-resistant Capnocytophaga sputigena adjacent to lung cancer with high PD-L1 expression2018

    • 著者名/発表者名
      Migiyama Yohei、Anai Moriyasu、Kashiwabara Kosuke、Tomita Yusuke、Saeki Sho、Nakamura Kazuyoshi、Okamoto Shinichiro、Ichiyasu Hidenori、Fujii Kazuhiko、Kohrogi Hirotsugu
    • 雑誌名

      Journal of Infection and Chemotherapy

      巻: 24 ページ: 852~855

    • DOI

      10.1016/j.jiac.2018.03.017

    • 査読あり
  • [学会発表] 緑膿菌性肺炎に対する抗菌薬吸入療法の検討2018

    • 著者名/発表者名
      右山洋平、小野勝彦、津々木博康、坂上拓郎、澤智裕
    • 学会等名
      第71回日本細菌学会九州支部総会

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公開日: 2019-12-27  

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