人工呼吸器管理中に、気道から緑膿菌が検出された症例についてデータ収集・解析を行い、抗菌薬の有効性に関わる因子について検討した。結果、緑膿菌の濃度に応じて気道感染症の臨床像が異なり、特に高濃度の菌(≧10^7 cfu/mL)が検出された場合に、強い炎症反応や画像所見の悪化が見られた。また、人工呼吸器関連気管気管支炎においては、高濃度の緑膿菌が検出された場合のみ、抗菌薬の使用が人工呼吸器離脱率の改善と関連していた。低・中濃度の緑膿菌に対しては、抗菌薬使用よりも高濃度化を抑えるための全身管理が重要であり、高血糖や長期人工呼吸器管理、セファロスポリン系抗菌薬の使用などがそのリスク因子として見出された。
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