研究課題
若手研究
同一の遺伝的背景を持つ複数の呼吸器上皮細胞株を用いることでインフルエンザウイルス感染におけるエピジェネティックステートの関与を直接評価することができ、特定部位のエピジェネティックステートがインフルエンザウイルス感染に影響することが明らかになった。IFN-βのプロモーター領域の脱メチル化はIFN-β産生を促進し、ウイルス感染に対する感染防御を誘導した。他にも関与する領域があると考えられ、エピジェネティックステートの変化の誘導が、感染症予防に貢献できることが示唆された。
ウイルス学
インフルエンザは毎年ワクチン接種が大規模に行われているものの、冬季には多数の患者が発生し、重症化すると多くのケースで致死率が高い呼吸器疾患を続発する。そのため重症化に関与する因子の解明は重要な課題である。本研究の成果は、生活習慣でも変化するエピジェネティックステートがウイルスに対する感染防御を誘導することが示唆されており、今後特定部位のエピジェネティックステートの変化を誘導することで新規の感染症予防法確立へ貢献できる可能性がある。