研究課題/領域番号 |
18K16185
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
藤本 寛樹 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (80779489)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ムーコル症 / Rhizopus oryzae / 画像診断 / 特異抗体 |
研究実績の概要 |
難診断深在性真菌症であるムーコル症(接合菌症)の早期診断法の開発研究を行っている。深在性真菌症は一般に免疫抑制患者に発症する。主要な深在性真菌症であるカンジダ、アスペルギルス、クリプトコックス症には、それぞれβグルカンやアスペルギルスガラクトマンナン抗原、クリプトコックスグルクロノキシロマンナン抗原等の血清診断法があり、スクリーニング検査が行われるが、ムーコル症には存在しない。当教室では、ムーコル症の原因微生物の代表であるRhizpis oryzae由来の蛋白(抗原A(RSA抗原))を精製して、ウサギに免疫してポリクローナル抗体を作成し、抗原検出キットを作成した。マウス感染モデルでは、マウス血清中にRSA抗原を検出することに成功し、論文報告した((Sato K, Kakeya H, et al. Identification of a Novel Rhizopus-specific Antigen by Screening with a Signal Sequence Trap and Evaluation as a Possible Diagnostic Marker of Mucormycosis. Med Mycol, 2017.)。また、国立感染症研究所と共に本方法に関する特許出願を行った。現在は、RSA抗原の特定および患者血清中の抗原検出が可能かどうか、臨床応用へ の研究を進めている。現在、その代謝物を検出する方法で、RSA抗原の機能解析研究を行っている。また、大阪市大工学部との共同研究にてRSA抗原のモノクローナル抗体の精製に成功した。モノクローナル抗体の精製は、精度の高い検査キットの作製に重要である。本研究は、モノクローナル抗体を用いて、理化学研究所とともにPET/MR(or PET/CT)画像診断への応用のため、研究を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ムーコル症の代表菌種であるRhizopus oryzaeの特異抗原RSAに対するモノクローナル抗体を大阪市立大学工学部との共同研究で精製した。モノクローナル抗体がR. oryzae感染マウス血清中のRSA抗原を検出できることが、確認された。現在、モノクローナル抗体を用いたR. oryzae感染マウス病理検体での抗体の有用性を検討中である。また、理化学研究所との共同研究の準備を進めているが、本学および理化学研究所の実験計画書および倫理申請書等の手続きに時間がかっていたが、近々にも開始できる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
モノクローナル抗体を用いたR. oryzae感染マウス病理検体での抗体の有用性を検討中である。感染マウス、コントロールマウスおよび抗体の準備は出来ている。また、理化学研究所との共同研究で画像検査への応用を進める。理化学研究所では、モノクローナル抗体へ放射性ラベルを行い、麻酔下のR. oryzae感染マウス尾静脈より静注して、画像検査にて検出を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
本学および理化学研究所での実験計画書および倫理申請書の作成及び承認に時間がかかったため。研究がやや遅れている。そのため次年度使用額が生じた。
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