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2018 年度 実施状況報告書

腟内ミクロビオータ解析に基づく女性生殖器感染症に対するテーラーメイド治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K16188
研究機関愛知医科大学

研究代表者

山岸 由佳  愛知医科大学, 医学部, 教授 (60512241)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード腟内ミクロビオーム / 妊婦 / 不妊 / メタゲノム解析
研究実績の概要

本研究は、不妊症を有する日本人女性における腟内ミクロビオームを明らかにすることを目的とし、20歳以上の、健常者(検診目的で受診し異常を認めなかった症例)10例と、不妊治療中*および妊婦(切迫流産傾向、不妊治療後の妊婦含む)20例の計30例(*:女性不妊で、体外受精の適用と判断された患者)を対象に、培養法・次世代シーケンサーによる腟内細菌叢解析を行うものである。
本研究は愛知医科大学病院の倫理審査にて承認を受けている(承認番号2019-H023)。
現時点で産婦人科を受診した不妊治療中の未妊婦計16名から検体採取した。Nugent scoreは正常(スコア0~3)9名(56.3%)は、中間(スコア4~6)4名(25%)はであったのに対し、3名(18.8%)は細菌性腟症(スコア7~10)と診断されるスコアを示した。腟¥腟内細菌叢の最優勢菌とされているLactobacillus spp.の選択培地に塗布した検証では、MRS寒天培地14名(87.5%)、LBS寒天培地15名(93.8%)の検体で生菌の発育が確認された。一部のマッコンキー寒天培地及びTS寒天培地から純培養した菌株を用いたMALDI TOF-MSによる菌種同定解析では2名(12.5%)からはEscherichia coliが、3名(18.8%)からはEnterococcus faecalisが、2名(12.5%)からはKlebsiella oxytocaが、1名(6.3%)からはKlebsiella pneumoniaeが、5名(31.3%)からはStreptococcus agalactiaeが検出された。
今後はさらに症例の追加をし、次世代シーケンサーを用いて各患者の腟内細菌叢の構成を検証し、各検体に含まれる菌叢の構成比、クラスター解析による分類等を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

産婦人科を受診した不妊治療中の未妊婦計16名から滅菌スワブを用いて腟粘液を採取した後、Nugent scoreの算出、各培地に塗抹し培養、純培養した菌株の菌種同定を行った。各患者の受診理由は5名(31.3%)が人工授精、2名(12.5%)が胚移植、1名(6.3%)が体外受精であり、その他8名(50%)は不明であった。Nugent scoreは正常(スコア0~3)9名(56.3%)は、中間(スコア4~6)4名(25%)はであったのに対し、3名(18.8%)は細菌性腟症(スコア7~10)と診断されるスコアを示した。腟内細菌叢の最優勢菌とされているLactobacillus spp.の選択培地であるMRS寒天培地及びLBS寒天培地への菌の発育状況を検証した結果、MRS寒天培地では14名(87.5%)、LBS寒天培地では15名(93.8%)の検体において生菌の発育が確認された。一部のマッコンキー寒天培地及びTS寒天培地から純培養した菌株を用いてMALDI TOF-MSにより菌種の同定を行ったところ、2名(12.5%)からはEscherichia coliが、3名(18.8%)からはEnterococcus faecalisが、2名(12.5%)からはKlebsiella oxytocaが、1名(6.3%)からはKlebsiella pneumoniaeが、5名(31.3%)からはStreptococcus agalactiaeが検出された。

今後の研究の推進方策

継時的なサンプリングを行い、培養法による腟内細菌叢解析、MALDI TOF-MSを用いた各培地に生育した菌株の菌種同定を行う。また今回対象とした症例の追跡調査を行い、最終的に妊娠または出産に至ったかを調査する。
目標症例数に達した時点で、次世代シーケンサーを用いた腟内細菌叢解析を行い、各検体に含まれる菌叢の構成比、クラスター解析による分類等を行い、検体間どのような差異が生じるかを検証していく。
上記により、腟内細菌叢の多様性が不妊や妊娠と関連のある細菌叢や健康維持に重要な菌叢を特定して行く予定である。

次年度使用額が生じた理由

不妊および妊婦(切迫流産傾向、不妊治療後の妊婦含む)の腟分泌物ミクロビオータ解析検体数が目標に達していないため、消耗品費を繰り越したものである。
次年度に、不妊および妊婦(切迫流産傾向、不妊治療後の妊婦含む)の腟分泌物ミクロビオータ解析検体数の増加を計画している。

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公開日: 2019-12-27  

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