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2020 年度 実施状況報告書

腟内ミクロビオータ解析に基づく女性生殖器感染症に対するテーラーメイド治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K16188
研究機関愛知医科大学

研究代表者

山岸 由佳  愛知医科大学, 医学部, 教授 (60512241)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード腟内ミクロビオーム / 不妊 / メタゲノム解析
研究実績の概要

産婦人科を受診した不妊治療中の未妊婦計48名から滅菌スワブを用いて採取した腟粘液を用い16S rRNAメタゲノム解析を行った。その結果、48名の腟内細菌叢は大きく2つのクラスターに分類され、2つのクラスターの構成細菌叢、Nugent scoreに差が認められた。治療法別に腟内細菌叢をPCoA解析により比較した結果、Unweightedにおいて、タイミング法と体外受精の治療を受けている患者間に有意な差が認められた(p<0.05)。さらに、年齢と治療方法の両方を考慮して群分けし、PCoA解析により菌叢を比較した結果、35歳をボーダーとした場合は、Unweightedにおいてタイミング法の35歳以上と人工授精の35歳以上、人工授精の35歳未満と人工授精の35歳以上、人工授精の35歳以上と体外受精の35歳以上で有意な差が認められた(p<0.05)。40歳をボーダーとした場合は、Unweightedにおいて、人工授精の40歳以上と体外受精の40歳以上、体外受精の40歳以上とその他の40歳未満に有意な差が認められた(p<0.05)。α多様性解析の結果、35歳をボーダーとした場合は有意な差が認められなかったのに対し、40歳をボーダーとした場合は、人工授精の40歳未満と体外受精の40歳以上、体外受精の40歳未満と体外受精の40歳以上で有意な差が認められた(p<0.05)。さらに、サンプリングから12か月後の時点での妊娠に至ったかどうかの調査では、32名中9名が妊娠に至っていた。各クラスターの妊娠率を比較した結果、クラスター1では18.8%(3/16)が妊娠に至ったのに対し、クラスター2では31.3%(5/16)とクラスター2に含まれる患者において妊娠率が高い傾向を示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在不妊治療中の未妊婦計48名から検体採取および1年後時点での追跡調査が実施できているがさらに追加でサンプリングしている症例における追跡調査の期間が実施されていない。
その理由としてコロナ禍での実験機器納入遅延、緊急事態宣言による県をまたいだ移動制限による検体採取および診療録調査のための医療機関受診制限、研究者のコロナ診療による研究へのエフォート減少があげられる。

今後の研究の推進方策

前回と同様、次世代シーケンサーによる菌叢の構成比を算出し、前回のデータと併せたクラスター解析を行うことで、検体間でどのような差異が生じるかを検証する。併せて患者情報の取得もカルテを回顧的に調査することで行っていく。MALDI TOF-MSを用いて各培地に生育した菌株の菌種同定を行う。また、新たに実施したサンプリングから12か月後の妊娠率等の調査を行う。

次年度使用額が生じた理由

対象者の検体数の関係で消耗品費を繰り越したものである。
使用計画として、サンプリング検体の培養と質量分析法による解析、16S rRNAメタゲノム解析を行う。

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公開日: 2021-12-27  

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