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2021 年度 実施状況報告書

腟内ミクロビオータ解析に基づく女性生殖器感染症に対するテーラーメイド治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K16188
研究機関高知大学

研究代表者

山岸 由佳  高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (60512241)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード腟内細菌叢 / 不妊 / メタゲノム解析
研究実績の概要

不妊治療中の未妊婦計48名の腟粘液を用い16S rRNAメタゲノム解析を行った結果、48名はLactobacillus属優勢の菌叢検出者(LDM)26名、Lactobacillus属非優勢の菌叢検出者(LNDM)22名に分類された。LDM38.5%、LNDM50%が妊娠に至り、LNDMにおいて妊娠率が高い傾向を示した。妊娠成立者で有意にα多様性が高かった(p = 0.035)一方β多様性においては顕著な差は認められなかった。LEfSe解析の結果、妊娠成立者においてCoriobacteriales、Atopobiumなどが、妊娠不成立者においてMegasphaera属、Staphylooccus属が多く検出された。LNDMでは妊娠成立者においてα多様性の増加と(p = 0.005)、β多様性の差異(p = 0.02)が認められた。さらに、LEfSe解析の結果、LDMにおいて妊娠成立者はDorea属、Coprococcus属などが、妊娠不成立者はKlebsiella属、Ureaplasma属が、LNDMにおいて妊娠成立者はClostridia UCG_014、Staphylococcus属、Megasphaera属、などが、妊娠不成立者はLactobacillus属が多く検出された。さらに、機能遺伝子数の推定を行った結果、LDM及びLNDMに共通で有意差が認められたのはメタン代謝に関連する機能遺伝子であったが、LDMでは妊娠不成立者で、LNDMでは妊娠成立者で保有している細菌が多かった。
本研究結果より、VMと妊娠には何らかの相関関係があり、LDMとLNDMは腟内細菌叢及び機能遺伝子数に差異が生じることが判明し、不妊治療においてLDMとLNDM対象それぞれ治療方法も保有する菌叢によって変更する必要がある可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在不妊治療中の未妊婦計62名から検体採取実施しているが、1年後時点での追跡調査が実施されていない。
その理由として緊急事態宣言や蔓延防止法による県をまたいだ移動制限による診療録調査のための医療機関受診制限、研究者のコロナ診療による研究へのエフォート減少があげられる。

今後の研究の推進方策

残りの対象者の妊娠の有無の確認のタイミングで診療録を回顧的に調査する。また機能遺伝子解析を追加で実施をする。

次年度使用額が生じた理由

対象者の検体数の関係で消耗品費を繰り越したものである。
使用計画として、サンプリングを実施した医療機関への旅費と、機能解析を行う。

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公開日: 2022-12-28  

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