肥満の病態、脂肪細胞分化のメカニズムは代謝疾患治療において重要な分野となっている。脂肪細胞分化機序は古くから研究されているが、分化と代謝の変化との関連はこれまでほとんどわかっていなかった。本研究では、3T3-L1細胞分化に伴う代謝の変化を解析し、NAD産生亢進に伴うαケトグルタル酸の増加により脂肪細胞分化の主要制御因子であるPPARγのプロモーター領域のヒストン脱メチル化が引き起こされ、PPARγの発現を活性化するという“エピゲノムを介した代謝による分化制御機構”を初めて明らかにした。この研究成果から“代謝”や“エピゲノム”が糖尿病等の新たな治療ターゲットになる可能性が示唆された。
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