研究課題/領域番号 |
18K16199
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高原 充佳 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座講師 (00751067)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 末梢動脈疾患 / 糖尿病 |
研究実績の概要 |
糖尿病およびその関連因子が末梢動脈疾患・重症虚血肢の病態進展(重症度や予後)に及ぼす影響を明らかにすべく、全国多施設の循環器内科・血管外科の協力を仰ぎながら、ひきつづき、糖尿病の関連情報を含む末梢動脈疾患・重症虚血肢患者のデータベースの構築を進めた。いずれのデータベースも、本来は血行再建術の治療成績評価を主目的に構築された、あるいは構築される予定のものである。本研究では、研究の作業仮説に応じてこれらを個別に、あるいは統合して、縦断的、および横断的に解析を進めていく計画である。これに加え、生活習慣背景、とくに食生活、咀嚼実態に着目した多施設共同研究にも着手した。 また、間欠性跛行のため大腿膝窩動脈領域の血行再建術を受けた2056名の多施設後ろ向き研究のデータを分析し、糖尿病および透析は重症石灰化と正の関連を示したが、TASC II分類で評価した血管病変の重症度および慢性閉塞病変とは負に関連すること、さらに糖尿病は病変長とも府に関連することを明らかにした (BMC Cardiovasc Disord誌に発表)。また、大腿膝窩動脈領域の血管内治療を受けた間欠性跛行症例において、高齢ほど3年死亡リスクが高かった一方、同年代の国民平均と比較すると、むしろ若年ほど死亡の相対リスク比が高いこと、一方、高齢集団では死亡の相対リスク比が低いことを示した(J Atheroscler Thromb誌に発表)。 さらに、糖尿病患者における末梢動脈疾患・重症虚血肢の進展リスクを明らかにすべく、下肢血流障害の進展リスクに関連する情報を含む糖尿病患者の縦断的なデータベースについても、構築を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データベースの構築が当初の計画に比してやや遅れてはいるものの、おおむね計画どおりの進捗である。
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今後の研究の推進方策 |
ひきつづきデータベースの構築を継続するとともに、得られたデータベースを用いて解析を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外の論文掲載費がドル建てであり為替相場の影響のため20円未満であるが次年度使用額が生じた。翌年度分として請求した助成金と合わせて次年度の研究の実施に充てる予定である。
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