研究課題/領域番号 |
18K16203
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
野津 雅和 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (50709144)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | TGF-β |
研究実績の概要 |
<臨床研究>TGF-βが糖尿病性骨粗鬆症の骨折リスク評価指標となりうるか、臨床研究を行っている。目標の対象症例数は:当院に入院歴のある600例(男性300例、女性300例)としている。2019年3月末時点で、対象症例約450名の臨床指標の追加集積およびTGF-β濃度の測定を行った。2型糖尿病患者におけるTGF-βの血中濃度は、基準値は既報にはないが、ELISAキット開発時に検討された健常者の濃度よりも高い傾向に出ていることが確認できている。引き続き症例の集積を行いながら、2020年末までの解析終了を予定している。 <基礎研究>TGF-βの阻害により骨質劣化が改善しうるか、基礎的検討を並行して行っている。 検討2.AGEsによる骨細胞 sclerostin発現に対するTGF-β阻害剤の作用 検討3.AGEsによる骨細胞 RUNKL発現に対するTGF-β阻害剤の作用 上記2点について検討を行っている。検討については、ELISAなどを用いて進めているが、骨細胞様細胞株MLO-Y4細胞からの、それぞれの因子の産生量が少ない点が問題点として挙げられる。このため、阻害検討を行うにあたり、もともと産生量が低いため、検討結果を評価しにくい状況にある。例えば、sclerostin発現および分泌量が、現在用いているMLO-Y4細胞よりも多い他の細胞株(具体的にはOCY-454やUMR細胞など)を用いて、これらの検討が可能かを現在検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床研究における検討はおおむね予定通り進んでいる。基礎研究において、標的因子の骨細胞様細胞からの産生量が想定より低いため、ELISAキットを用いた評価が難しい。これらの調節因子の産生量が異なる細胞株を用いるなど、対応している。
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今後の研究の推進方策 |
臨床研究については、さらなる症例の蓄積と、データ収集と並行してTGF-β濃度の測定を行う。これらの集積がすすんだ時点で、今年度2019年度内に一度統計解析を行う予定である。何らかの知見が得られた場合は、この時点でまずは学会および論文報告を予定している。 基礎的検討について、現在まで用いていたものとは別の細胞株を用いた検討を行っている。
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次年度使用額が生じた理由 |
基礎研究において、現在用いている細胞株における標的因子産生量が少なく、他の細胞株への切り替え検討を行うにあたり、切り替え時期に使用予定であったELISA kitなどの購入が予定より少なくなったため。細胞株を変更し、来年度使用予定である。
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