糖尿病・代謝疾患における病態解明及び克服のための探索的研究

2023 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 18K16219
• 研究種目: 若手研究
• 配分区分: 基金
• 審査区分: 小区分54040:代謝および内分泌学関連
• 研究機関: (財)冲中記念成人病研究所 (2019-2023); 国立研究開発法人国立国際医療研究センター (2018)
• 研究代表者: 辻本 哲郎 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (60721743)
• 研究期間 (年度): 2018-04-01 – 2024-03-31
• キーワード: 糖尿病

研究成果の概要

我々は大規模データベースなどを利用し、HFpEF患者において硝酸薬の使用は逆に心血管イベントリスク増加と有意に関連していること(Tsujimoto et al. Mayo Clin Proc 2018)、非ステロイド性抗炎症薬を使用している心血管疾患既往の2型糖尿病患者にアスピリンの有効性は認めなかったこと(Tsujimoto et al. Diabetes Obes Metab 2019)、サイアザイドが比較的血圧の低い2型糖尿病患者においては心血管リスクを高める可能性があること(Tsujimoto et al. Hypertension 2019)、など複数の研究結果を報告した。

自由記述の分野

糖尿病

研究成果の学術的意義や社会的意義

糖尿病や肥満は心血管疾患やがんなど生命予後や生活の質に関連する様々な疾患のリスクを上昇させる。糖尿病や肥満は世界中のあらゆる世代で増加しており、日本を含め世界中でその対策を講じることが必要である。さらに、これからの高齢化社会における糖尿病や肥満対策は心血管疾患だけでなく、がん、心不全、認知症への対策としても重要な意味がある。我々は大規模データベースを用いて糖尿病や代謝疾患における心血管疾患、心不全などに関する数多くの新たな知見を獲得し、論文で報告した。これらの結果はこれからの創薬標的や新規バイオマーカーにつながる可能性があり、学術的・社会的に大きく貢献するものと考えられる。