膵臓内迷走神経の解剖を詳細に検討するため、臓器透明化技術を膵臓に応用した。その結果、膵臓内の副交感神経節の多くが膵島に近接して存在することが明らかになった。また、高齢マウスに対して高脂肪食負荷を行い肝臓ERK経路を活性化したところ、迷走神経シグナル依存的に膵β細胞増殖が促進され、迷走神経シグナルは増殖能が低下しているとされる高齢動物の膵β細胞をも増殖させる可能性が示された。今後ヒト膵島を用いての検討も進める。さらに肝臓においても迷走神経シグナルにより肝臓切除後の肝細胞増殖が促進されることを明らかにし、その分子メカニズムを解明した。
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