研究課題/領域番号 |
18K16226
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
大橋 夏子 滋賀医科大学, 生化学分子生物学講座 再生修復医学部門, 特任助教 (60816776)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 褐色脂肪細胞 / エネルギー代謝 |
研究実績の概要 |
褐色脂肪組織特異的OGT欠損マウスに高ショ糖高脂肪食を長期間投与し食事誘導性肥満モデルを作製した。対照マウスに比して、体重、随時・空腹時血糖値ならびに随時・空腹時の血中インスリン値に差はなく、腹腔内ブドウ糖負荷試験及び腹腔内インスリン負荷試験による糖代謝評価でも有意な差は認められなかった。ただし、寒冷負荷不耐性に関しては通常食摂取下と同様で、3時間以上の寒冷暴露による低体温のため死亡する個体も認めた。 つづいて、メタボリックケージ を用いて寒冷環境下における代謝及び熱産生の変化を解析した。褐色脂肪組織特異的OGT欠損マウスは対照マウスに比して、通常食及び高ショ糖高脂肪食摂取いずれの状態においても、4度下ではVO2、VCO2、熱産生を表すHeatに関して継時的に有意な低下を認めた。RERに関しては、通常食及び高ショ糖高脂肪食摂取いずれの状態においても褐色脂肪組織特異的OGT欠損マウスにて高値を示しており、糖利用の亢進が示唆された。
また、O-GlcNAc修飾のGain-of-functionが褐色脂肪細胞の機能維持に及ぼす影響を検討するため、OGA-floxマウスを譲渡いただき、褐色脂肪細胞特異的Cre発現マウスとの交配により、褐色脂肪細胞特異的OGA欠損マウスを作製した。現在表現型の検討を行っているところであるが、両群において体重、随時・空腹時血糖値ならびに随時・空腹時の血中インスリン値に差はなく、腹腔内ブドウ糖負荷試験及び腹腔内インスリン負荷試験による糖代謝評価でも有意な差は認めていない。
メタボローム解析に関しては、褐色脂肪組織特異的OGT欠損マウスと対照マウスの慣例環境下にて採取した褐色脂肪組織のサンプルを提出し解析結果の詳細を待っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究者本人が2018年8月より11月末の出産までの期間、切迫早産のため緊急入院及び自宅での絶対安静となってしまい実験に一切従事できず、さらに継続して2019年5月末まで育休にて休職していたが、2019年6月より職場復帰し実験再開となった。当初の計画と異なる検討を進められている部分はあるが、全体としてはまだ少し遅れていると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
メタボリックケージ を用いて、褐色脂肪組織特異的OGT欠損マウス及び対照マウスにおいて、生命維持が可能な温度にて慢性的な寒冷環境下での代謝及び熱産生の評価を行う。 メタボローム解析を行ったので、褐色脂肪細胞特異的Ogt遺伝子欠損マウスと対照マウスの褐色脂肪細胞における代謝産物を評価する。 併せて、マウス単離初代培養褐色脂肪細胞もしくはHIBIB細胞を用いて、細胞外フラックスアナライザーにて、OGT活性の変化に加えて、グルコースや脂肪酸、β3アゴニストなどの刺激によるミトコンドリア機能やエネルギー代謝状態への影響を検討したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が当初の予定より未だやや遅れているため、次年度にも引き続き実験を行う予定がある。 そのため、必要分と見込まれる予算を次年度使用額として繰り越した。
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