Fibulin-5(Fbln5)は細胞外弾性線維形成に必須の分泌蛋白である。本研究ではFbln5欠損マウスを用いた解析により、細胞外マトリックス分子による糖代謝制御機構について検討した。Fbln5欠損マウスは体重非依存性のインスリン感受性亢進を呈し、高脂肪食誘導性の肥満および脂肪肝の改善を認めた。各種代謝臓器特異的(肝細胞、脂肪細胞、皮膚)なFbln5欠損マウスを樹立したが、いずれもインスリン感受性の変化は来たさなかった。以上より、Fbln5によるインスリン感受性制御機構として、細胞接着因子としての作用および血管弾性線維を介した機構等が想定された。
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