研究課題/領域番号 |
18K16242
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
森田 修平 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (50372868)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 小胞体ストレス応答 / 膵β細胞 |
研究実績の概要 |
IRE1α阻害薬KIRA(kinase-inhibitory RNase attenuator)の1型糖尿病モデルマウス(NODマウス)に対する長期にわたる有効性や耐性出現の有無は不明である。 NODマウスにおいて、一度確立された糖尿病を治療するReversal studyを発展型KIRAであるKIRA8 を用いて行うべく、現在コロニーを増やしている。本研究では Reversal studyにてKIRA8の治癒効果が長期(>20週)に耐性を示さず認められた場合、仮説「NODマウスにおいてKIRA8は1型糖尿病に対する治療薬として長期に有効である」は正しいと判断する。副次的評価項目(β細胞機能とβ細胞量)の2群間での比較は主要評価項目(治療効果)が当初計画どおりに進まない時のバックアップ実験とする。Pre-diabetic studyはReversal studyの主要評価項目(治療効果)および副次的評価項目(β細胞機能とβ細胞量)の両者が当初計画どおりに進まない時のさらなる(2次)バックアップ実験とする。 メスNODマウスの50-70%程度しか糖尿病を発症しないことから、研究に必要なコロニーを得るまでに約1年以上を要すると考えられる。その後、16週齢より20週以上の処 置・観察期間を要することから、充分な個体数での結果を得るのにさらなる日時を要すると考えられる。一方で、従来小胞体ストレスの影響を直接UPRに反映すると考えられていた小胞体ストレスセンサー蛋白の働きは、近年、他の蛋白との相互作用や翻訳後修飾によりUPRへ影響を及ぼすことが知られつつあり、注目されている。KIRAのNODマウスに対する作用の影響を包括的に検討する上で本メカニズムの関与は本研究の遂行に重要であると考えられる。今後特にIRE1αに着目しKIRAの効果に影響を及ぼすこれらの要因につき、さらなる検討を計画中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記計画に添い、現在研究に必要なNODマウスのコロニー数は順調に増えており、研究は概ね計画通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
IRE1α阻害薬KIRA(kinase-inhibitory RNase attenuator)の1型糖尿病モデルマウス(NODマウス)に対する長期にわたる有効性や耐性出現の有無は不明である。 NODマウスにおいて、一度確立された糖尿病を治療するReversal studyを発展型KIRAであるKIRA8 を用いて行うべく、現在コロニーを増やしている。一方で、近年IRE1αの他の蛋白との相互作用や翻訳後修飾によるUPRへの影響が注目されている。KIRAのNODマウスに対する作用の影響を検討する上で本メカニズムの関与は本研究の遂行に重要であると考えられ、さらなる検討を行う予定である。
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