終末糖化産物 (advanced glycation end-products, AGE)受容体であるRAGE(receptor for AGE)は炎症のメディエーターとして働き、血管内皮炎症、糖尿病、肥満の病態に関与する。今回、我々が報告した、血管内皮細胞におけるRAGEおよび可溶性RAGE(sRAGE)と炎症シグナルの制御機構の研究成果を踏まえると、RAGEおよびその切断機序が脳内炎症の調節を介して、摂食行動、基礎代謝バランスの撹乱に関与し、肥満・糖尿病の発症に関与する可能性が示唆される。今回の成果は、慢性疾患における脳内炎症のメカニズムの解明とその予防戦略の構築に寄与できると考える。
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