肝芽腫はDNAメチル化異常が発癌、進展および悪性化における主要な調節機構になっている。これは予後不良なシスプラチン(CDDP)耐性への関与にも想定され、本研究は肝芽腫におけるCDDP耐性に関与するエピゲノム異常、遺伝子発現異常を解析し、分子マーカーの確立、新たな治療ターゲットを模索することとした。メチル化ビーズアレイとマイクロアレイの結果より、CSF3RをCDDP抵抗性に最も関連する遺伝子として選定した。術前CDDP感受性患者38例に対して施行したパイロシークエンシングにおけるCSF3Rのメチル化率と再発率の解析をおこない、高メチル化群は低メチル化群に比較し有意に高い再発率を示した。
|