エストロゲン受容体 (ER) は、半分以上の乳がんで高い発現が認められており、細胞増殖に関与することから治療標的の一つとなっている。ER 発現を増加させる遺伝子変異を同定するため、乳がん患者由来のサンプルをERの発現ごとに高発現群、低発現群に分類し、次世代シークエンサーを用いたエクソーム解析を行った。その結果、検出した SIN3A のナンセンス変異が、ER発現増加を介して細胞増殖を促進することを明らかにした。SIN3A の生体における機能を詳細に確認するため、GONAD法によるSIN3A変異ノックインマウスの作成に着手した。条件検討の結果、GONAD法による遺伝子改変マウスの作成に成功した。
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