研究課題
若手研究
静脈栄養の発達により短腸症候群を含む腸管不全症患児の予後は著しく改善したが、カテーテル関連血流感染症や代謝性合併症などが問題となっている。中でも腸管不全合併肝障害(IFALD)は致死的合併症の一つで、IFALDの治療として腸管延長術などの外科的介入やω3系脂肪酸製剤の効果が報告されているが、病態メカニズムの全容解明には至っていない。本研究では、短腸症候群モデルラットにおいてω3系脂肪酸が腸管順応を促進することを示した。
小児外科
本研究の内容は成人において長期絶食を余儀なくされた患者におけるPNALDや腸管絨毛の委縮の予防、上腸間膜動脈症候群や外傷によって短腸症候群となった患者についても応用が可能であり、対象となる患者数は潜在的に非常に多いと考える。小児・成人の幅広い分野において管理に難渋する疾患である大量腸管切除後の腸管順応およびIFALDの予防における新たな術後管理の確立に向けた第一歩であり、社会的な意義は大きいと考える。