DYRK2はリン酸化酵素であり、DYRK2の発現が低い乳癌では細胞増殖能、浸潤能が高く、悪性度も高くなっている。そこで、本研究ではDYRK2低発現の乳癌で、治療効果の高い薬剤の探索を行った。 DYRK2を恒常的にノックダウンした細胞株においてCDK14の転写が増加していることが、マイクロアレイを用いた解析により明らかとなった。更にレポーターアッセイなどを用いて、ARを転写因子として同定した。AR阻害剤であるMDV3100を添加するとDYRK2低発現の乳癌細胞ではコントロールと比較し感受性が増加した。 これらの結果より、DYRK2の発現が低い乳癌ではAR阻害剤が特異的に作用することが示唆された。
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