最近、乳癌の増殖にユビキチンリガーゼのひとつRNF5が関与していることが報告された。私たちは小数例を対象とした予備実験において、乳癌組織における RNF5遺伝子発現低下と乳癌予後不良に関連があることがわかった。この結果を検証するために当施設で長期フォローアップを行った乳癌625例を用いて、RNF5遺伝子の mRNA発現と臨床病理学的因子および予後との検討を行った。RNF5発現低下は、高グレード、エストロゲン受容体陰性などと正の相関を認めた。しかし、RNF5 mRNA発現と予後との関連については、RNF5発現低下症例で無病生存・全生存期間とも予後不良の傾向を認めたものの、有意差は認めなかった。
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