2018年に保険収載された小腸移植は、今後需要が増加するものと予測される。しかしながら、従来の免疫抑制プロトコールでの長期成績は満足いくものではなく、新規免疫抑制剤の効果や拒絶反応の早期診断など多くの課題が存在する。本研究では、慶應義塾大学小児外科が開発した、カニクイザル小腸移植モデルを用いて、拒絶反応の診断と新規免疫抑制剤であるCD40阻害抗体の効果判定のプラットフォームの確立を行った。MHCミスマッチのカニクイザルにおける小腸移植における拒絶反応までの平均生存期間は4週間であり、ELISPOTを用いたドナー反応性・抗ドナー抗体の存在・ケモカインレセプターの詳細な解析が可能であった。
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