研究実績の概要 |
申請当初のオルガノイドの形成率ではエクソソームの抽出は困難であったため、平成30年度において従来使用していたオルガノイドメディアのコンポーネントの調整(Wnt, FGF, p38 MAPK Inhibitor, Gastrin, Nicotinamideを除去し、一方でいくつかの成長因子を追加)することで、最終的にオルガノイド形成率は70%程度まで向上を認め、long termでPassage可能な症例を経験した。 そこで31年度では我々はまずこの改良されたオルガノイドが患者体内での性質をどれほど引き継げているのかを、IHC,PCR,Western blottingにて評価し、CD44,SOX2,Ki67などの発現が同様であることを確認した。次にエクソソームの抽出に最適な培養日数を決定するために培養後の経時的な増殖能をWST-1 assay(タカラバイオ)およびCellTiter-Glo Assay(Promega)で評価し、day7に増殖能がプラトーに達することを同定した。今後はday7-11で培養液の上清からエクソソームの抽出を行うこととした。 また我々は引き続き同一患者より術前治療前後、術後の三回の採血を行い、血球成分を除去した血しょうの保存を行っており、これらの検体はオルガノイドの培養からターゲットとなるエクソソームを同定した後にValidationとして使用する予定である。 上記の通り研究が進行中であったが、2019年5月1日に申請者の海外への研究留学が決まったため、研究の中断申請書を提出した。
|