胃がん患者の術前化学療法前後の腫瘍組織から抽出した免疫細胞をフローサイトメトリーで解析した。結果、化学療法後にCD8陽性細胞にTim-3分子を単独発現する特異的細胞群を認めた。これら細胞群はグランザイムB・パーフォリンといった細胞傷害性分子を高発現した。食道がんでは、化学療法後にTim-3単独発現細胞群を認めず、治療前のCD8陽性細胞中のPD-1・Tim-3共発現細胞の高頻度群が術前治療の非奏効に関連した。これら細胞は、細胞傷害性分子の発現低下を認めた。 以上、抗腫瘍効果を有する可能性のあるTim-3単独発現細胞の出現は、胃がん特異的もしくは使用抗がん剤に影響することが示唆された。
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