研究課題/領域番号 |
18K16310
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山田 萌 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (00781717)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | circular RNA / 次世代シークエンス / 網羅的解析 / non-cording RNA |
研究実績の概要 |
circular RNA(以下circRNA)は、数百から数千の塩基からなる環状で安定した構造を持つRNAである。哺乳類を含む真核生物で豊富に発現しており、数万種の存在が確認されている。また、microRNAやRNA Binding Proteinsを介して転写、翻訳を調節する機能を有している。癌を含む様々な疾患との関連性が指摘されつつあり、新たなバイオマーカーや核酸医薬への応用が期待される。 本研究の目的は、食道扁平上皮癌と関連するcircRNAを特定すること、さらに、特定されたcircRNAを用いて新規のバイオマーカーや核酸医薬開発の可能性を探索することである。 我々は、食道扁平上皮癌に関連するtarget circRNAを網羅的に検索すべく、次世代シークエンス(NGS)を用いたcircRNAの解析を計画している。 circRNAについてより効率的にシークエンスを行うためにcircRNAの濃縮を行った。具体的には、抽出したtotal RNAよりリボソームRNAを除去したのち、RNAse Rを用いて線状RNAを分解除去した。食道扁平上皮癌細胞株 TE11とTE11にシスプラチンを長期暴露して樹立した耐性株を用いて、まずは小型のNGS機によるパイロットシークエンスを行った。パイロットシークエンスでは、リード数やサンプル数、circRNAの濃縮処理、解析法の妥当性を検討した。条件設定を目的とした小規模なリード数でのシークエンスであったが、ペアエンド法にて解析後、circRNAの検出ツールを用いて検討したところ、計300超のcircRNAを検出することが可能であった。また、検出されたcircRNAについて公共のデータベースを使用して配列を確認し、Reverse Transcription PCR法にてTE11での発現を確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は本年度中に行う予定であったtarget circRNAの設定を完遂することができなかった。NGSデータの解析においてツールの導入などに時間を要したことと、使用する細胞株にマイコプラズマ感染があり、除菌に時間を要したことなどが主な原因である。
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今後の研究の推進方策 |
食道癌細胞株TE11とそのシスプラチン長期暴露耐性株(TE11R)について、NGSを用いた網羅的解析を行い、食道癌に関連するtarget circRNAおよび薬剤耐性に関連するtarget circRNAを検索する。 検索されたtarget circRNAについて、臨床検体(組織・血液)を用いて臨床病理学的特徴との関連を検討し、バイオマーカーとしての汎用性を検証する。また、in vitroでは、ノックダウン株を用いた治療抵抗性変化やメカニズムの解明などを行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該研究において当年度行う研究項目が、次年度にも行うことになったため翌年分とした
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