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2019 年度 実績報告書

膵癌由来エキソソームによるTAMを介した腫瘍進展機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K16312
研究機関鳥取大学

研究代表者

森本 昌樹  鳥取大学, 医学部附属病院, 医員 (40808953)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード膵癌 / TAM / TYRO3 / エキソソーム
研究実績の概要

TAM family(TYRO3、AXL、MER)は1990年に同定された比較的新しい受容体群であり、近年になっていくつかの癌腫でoncogeneとしての機能が明らかとされてきた。TYRO3は同familyに属する受容体であるが、膵癌における発現と機能は明らかとなっていない。本研究では膵癌細胞由来のエキソソームを介したTAMの発現調整機構の可能性に着目するとともに、ヒト膵癌細胞株と膵癌切除検体とを用いてTYRO3の発現および機能を解析し、膵癌の新たな治療標的としての可能性を精査した。結果として、評価に用いたすべてのヒト膵癌細胞株(PANC-1、MIA PaCa-2、BxPC-3、AsPC-1、およびPK-9)でTYRO3タンパクの発現が検出された。TAM familyには、癌の発生に寄与する突然変異はなく、TAM familyの発癌性は、TAM受容体シグナル伝達経路の調節異常に関連することが予想される。TAMの発現は膵癌細胞株由来のエキソソームにより発現が増強されることが示唆された。本研究では、膵癌細胞におけるTYRO抑制は細胞増殖および浸潤を抑制した一方で、TYRO3過剰発現はそれらを増強した。さらにTYRO3過剰発現により細胞膜へのリン酸化Aktの動員、およびの核へのリン酸化ERKの移行が示されたことから、TYRO3の膵癌進展における分子機構としてPI3K / AktおよびMEK / ERKシグナル伝達などの成長シグナル伝達経路が強く関与することが示された。
患者検体を用いた検討においては、TYRO3の発現が膵癌患者予後を規定することが示された。以上より、TYRO3またはその下流シグナルを治療標的とすることで新たな膵癌治療法の開発につながると考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Oncogenic role of TYRO3 receptor tyrosine kinase in the progression of pancreatic cancer2020

    • 著者名/発表者名
      Morimoto Masaki、Horikoshi Yosuke、Nakaso Kazuhiro、Kurashiki Tatsuyuki、Kitagawa Yoshinori、Hanaki Takehiko、Sakamoto Teruhisa、Honjo Soichiro、Umekita Yoshihisa、Fujiwara Yoshiyuki、Matsura Tatsuya
    • 雑誌名

      Cancer Letters

      巻: 470 ページ: 149~160

    • DOI

      10.1016/j.canlet.2019.11.028

  • [学会発表] 受容体型チロシンキナーゼTAMによる膵臓癌の進展機構2020

    • 著者名/発表者名
      森本 昌樹
    • 学会等名
      第120回日本外科学会定期学術集会
  • [学会発表] 膵癌進展における新規チロシンキナーゼ受容体TAMの機能2019

    • 著者名/発表者名
      森本 昌樹
    • 学会等名
      第28回日本がん転移学会学術集会・総会

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公開日: 2021-01-27  

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