大腸癌は血管新生が非常に盛んであり、血管新生阻害剤が薬物治療として有効である。一方で、VEGF阻害剤は薬剤耐性や副作用といった問題点を有しており、VEGF以外を標的とした新しい血管新生阻害剤の開発が重要である。本研究において我々は、血管新生の新しい制御因子として細胞内膜輸送関連分子であるSNX9を同定し、SNX9による血管新生制御機構の解明に成功した。また、大腸癌患者由来の病理組織において、腫瘍血管内皮でSNX9が高発現している事実を突き止めた。更に、SNX9を標的とする血管新生阻害剤探索のスクリーニング系をコムギ無細胞タンパク質合成系とアルファスクリーンを組み合わせて構築する事に成功した。
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